日本消費者庁は、2023年第1四半期に161件の機能性表示食品を承認しました。これにより、承認された機能性表示食品の総数は6,658件となりました。食品総合研究所は、これら161件の食品について統計を取りまとめ、日本市場における注目の活用シーン、注目の食材、新興食材などを分析しました。
1.人気のシーンや様々なシーンに対応する機能素材
第一四半期に日本で申請された161の機能性表示食品は、主に以下の15の応用シナリオをカバーしており、そのうち、血糖値の上昇抑制、腸の健康、減量は日本市場で最も関心の高い3つのシナリオでした。
血糖値の上昇を抑えるには主に 2 つの方法があります。
一つは空腹時血糖値の上昇を抑制すること、もう一つは食後血糖値の上昇を抑制することです。バナナの葉に含まれるコロソリン酸、アカシア樹皮に含まれるプロアントシアニジン、5-アミノレブリン酸リン酸(ALA)は、健康な人の空腹時高血糖を低下させる効果があります。また、オクラに含まれる水溶性食物繊維、トマトに含まれる食物繊維、大麦β-グルカン、イミノ糖を含む桑の葉エキスには、食後血糖値の上昇を抑制する効果があります。
腸内環境を整えるという点では、食物繊維とプロバイオティクスが主な成分として使用されています。食物繊維には、主にガラクトオリゴ糖、果糖オリゴ糖、イヌリン、難消化性デキストリンなどが含まれ、胃腸の調子を整え、腸の蠕動運動を改善する効果があります。プロバイオティクス(主にバチルス・コアグランスSANK70258株とラクトバチルス・プランタラムSN13T株)は、腸内のビフィズス菌を増加させ、腸内環境を改善し、便秘を緩和します。
減量の面では、黒ショウガポリメトキシフラボンは、2023年第1四半期の日本の減量市場における主役原料であり続けています。黒ショウガポリメトキシフラボンは、日常活動におけるエネルギー代謝のための脂肪消費を促進し、BMIが高い人(23)の腹部脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らす効果があります。
2.人気の3つの原材料
(1)ギャバ
2022年現在も、GABAは日本企業に人気の高い原料であり続けています。GABAの応用シーンも絶えず拡充しています。ストレスや疲労の緩和、睡眠の改善に加え、骨や関節の健康、血圧降下、記憶機能の向上など、様々な場面で活用されています。
GABA(γ-アミノ酪酸)は、アミノ酪酸とも呼ばれ、タンパク質を含まない天然アミノ酸です。GABAは、マメ科植物、高麗人参、漢方薬などの種子、根茎、組織液に広く分布しています。哺乳類の中枢神経系における主要な抑制性神経伝達物質であり、神経節や小脳で重要な役割を果たし、身体の様々な機能の調節作用を有しています。
ミンテルGNPDによると、過去5年間(2017年10月~2022年9月)に、食品・飲料・ヘルスケア製品カテゴリーにおけるGABA含有製品の割合は16.8%から24.0%に増加しました。同期間の世界のGABA含有製品のうち、日本、中国、米国がそれぞれ57.6%、15.6%、10.3%を占めました。
(2)食物繊維
食物繊維とは、植物に天然に存在するか、植物から抽出されるか、または直接合成され、重合度が3以上の、食用であり、人体の小腸で消化吸収されず、人体にとって健康上の意義を持つ炭水化物ポリマーを指します。
食物繊維は、整腸作用、腸の蠕動運動の改善、便秘の改善、血糖値の上昇抑制、脂肪の吸収抑制など、人体に対して一定の健康効果をもたらします。世界保健機関(WHO)は、成人の1日あたりの食物繊維摂取量を25~35グラムと推奨しています。また、「中国居住者の食事ガイドライン2016」でも、成人の1日あたりの食物繊維摂取量を25~30グラムと推奨しています。しかし、現在のデータから判断すると、世界のどの地域でも食物繊維の摂取量は基本的に推奨量を下回っており、日本も例外ではありません。データによると、日本人成人の1日あたりの平均摂取量は14.5グラムです。
腸内環境の健康は、日本市場において常に主要な焦点となっています。プロバイオティクスに加え、原料として食物繊維も使用されています。主にフラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、グアーガム分解物、イヌリン、難消化性デキストリン、イソマルトデキストリンなどが挙げられますが、これらの食物繊維もプレバイオティクスのカテゴリーに属します。
さらに、日本市場では、血糖値を下げたり、脂肪の吸収を抑えたりする食品に使われるトマトの食物繊維やオクラの水溶性食物繊維など、新しい食物繊維も開発されています。
(3)セラミド
日本市場で人気のオーラルビューティー原料は、ヒアルロン酸ではなく、セラミドです。セラミドはパイナップル、米、こんにゃくなど、様々な由来のものがあります。2023年第1四半期に日本でスキンケア機能を持つと謳われた製品の中で、使用されているセラミドのうち、主にこんにゃく由来のものは1種類だけで、残りはパイナップル由来です。
セラミドはスフィンゴ脂質とも呼ばれ、スフィンゴシン長鎖塩基と脂肪酸からなるスフィンゴ脂質の一種です。分子はスフィンゴシン分子と脂肪酸分子で構成され、脂質ファミリーに属します。セラミドの主な機能は、肌の水分を閉じ込め、バリア機能を向上させることです。さらに、セラミドは肌の老化を防ぎ、皮膚の剥離を軽減する効果もあります。
投稿日時: 2023年5月16日




